2016年(平成28年)の医薬品を除く化学工業の生産指数は、前半は震災等の影響があったものの原油安、円安を受けて、大手化学企業を中心に好調であった。その後、円高に転じるも年末には円安傾向に戻り、自動車販売等も好調で、年間で昨年並みの、前年比プラス1.4%となった。
新規住宅着工件数は昨年から継続して好調で、年間を通じてほぼ前年比プラスが続き、年間では前年比プラス6%となった。一方、自動車生産は前半は昨年からの不調、特に軽自動車の大幅減少や震災の影響を受けて、前年比マイナスになったが、年後半では小型車が好調でプラスに転じた。ただし、年間では前半の不調を受けてマイナス1%となった。
このような状況下、当協会取扱い品目の2016年(1月~12月)における生産・輸出・輸入実績および出荷状況をみると以下の一覧表のようになっている。
製品 | 生産 (トン) |
前年比 % |
輸出 (トン) |
前年比 % |
輸入 (トン) |
前年比 % |
合成染料 | 17,052 | 100 | 8,308 | 107 | 29,606 | 100 |
有機顔料 | 17,168 | 98 | 4,213 | 88 | 18,905 | 101 |
有機ゴム薬品 | 15,930 | 97 | 11,682 | 133 | 12,984 | 110 |
フェノール | 587,318 | 91 | 64,267 | 82 | 72,879 | 209 |
無水フタル酸 | 158,500 | 102 | 53,504 | 110 | 148 | 195 |
無水マレイン酸 | 87,809 | 103 | 5,538 | 119 | 422 | 145 |
(出典:生産・出荷・・経済産業省化学工業統計、輸出・輸入・・財務省通関統計)
合成染料は生産、輸入、輸出とも昨年に比べてプラスとなった。一方、有機顔料の生産量は昨年に続いて2%のマイナスとなったが、輸入は若干ながら増加した。有機ゴム薬品は、生産量は昨年比マイナス、輸出はプラスの傾向が続いている。フェノールは昨年はプラント停止からの回復があったが、生産量は再びマイナスとなり、輸入が大幅に増加した。無水フタル酸、無水マレイン酸はほぼ前年並みであるが若干増加傾向にある。
以下、個別製品ごとの10年間の生産、輸出入の推移を図示する。
1.《 合成染料 》
2.《 有機顔料 》
3.《 有機ゴム薬品 》
4.《 フェノール 》
5.《 無水フタル酸 》
6.《 無水マレイン酸 》