2008/08/12
カテゴリー 複合酸化物顔料工業会

JCICPA ニューズレター 第3号

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ニッケル化合物(ニッケルチタンイエロー)の労働安全衛生法の規制について

需要家各位

2008年7月 複合酸化物顔料工業会

 ニッケル化合物については、平成19年度化学物質による労働者の健康障害防止にかかわるリスク評価検討会において、粉末のニッケル化合物(ニッケルカルボニルを除く)の製造・取り扱い作業について管理措置が必要とされました。

2008年6月10日に、厚生労働省『化学物質による労働者の健康障害防止』にかかわる平成20年度第1回リスク評価検討会が開催され、ニッケル化合物の規制対象についても論議が為されました。

複合酸化物顔料工業会では、ニッケルチタンイエローは、『チタン、アンチモン、ニッケルの複合酸化物』ではあるが、酸化チタンと同じルチル型結晶構造を持ち、薬物動態試験においても生物学的利用が認められない、ヒトへの発癌性のリスクが極めて低いとの観点から、規制を予定しているニッケル化合物からニッケルチタンイエローを除外するよう要望してまいりましたが、上記リスク評価検討会では認められませんでした。

ニッケルチタンイエローの安全性については、先に日本政府後援によるOECDの第15回SIDS評価会議(SIAM15:2002年10月)において、『現時点で、本化学物質の更なる調査作業に対する優先順位は低い』と結論付けられており、当工業会としてもニッケルチタンイエローは安全性の資料が整備されたリスクの低い物質の一つとの見解に変わりはありません。

http://www.chem.unep.ch/irptc/sids/OECDSIDS/8007189.pdf

このまま推移いたしますと、パブリックコメント募集を経て、本年11月には法制化の見通しです。その際の具体的な規制対象は、ニッケル化合物(ニッケルカルボニルを除く)の内、一般的な作業環境において吸入可能な粒子サイズ、おおむね流体力学的粒子径0.1mm以下のものと成ります。

ニッケルチタンイエローを粉末として扱うような作業場では、対策として、(1)防塵マスクの着用、(2)局所排気装置などの設置、(3)作業主任者の選任、(4)作業環境測定の実施等が必要となります。但し、ニッケルチタンイエローを含むコンパウンド、マスターバッチ、塗料などの取り扱いは、規制対象とはなりません。

当工業会では上記のようにニッケルチタンイエローの安全性は高いとの認識でおりますが、ニッケルチタンイエローを粉末としてお取り扱いの需要家に置かれましては、法律に則り上記対策をお取りくださいますよう御願いいたします。

今後とも複合酸化物工業会では複合酸化物顔料の安全性につきましてはホームページ等で情報をご提供してまいる所存です。

何卒、御理解を賜りますようよろしくお願い申し上げます。