2017年(平成29年)の医薬品を除く化学工業の生産指数は、前年からの原油安と円安に支えられて大手化学企業を中心に最高益をあげるなど好調な販売が続いており、前年度比でプラス6.4となり、103.3(2010年=100)と7年振りのプラスとなった。
新規住宅着工件数は一昨年から好調が続いていたが、下期に入って持家や貸家に前年比マイナスが続き、年間では、好調であった前年並みとなった。一方、自動車生産は昨年末から好調が続き、マイナス要因となっていた軽自動車が前年比プラス17%と大幅に増加したことにより、全体ではプラス5%となった。また、輸出は一昨年より前年比プラスが続いている。
このような状況下、当協会取扱い品目の2017年(1月~12月)における生産・輸出・輸入実績および出荷状況をみると以下の一覧表のようになっている。
製品 | 生産 (トン) |
前年比 % |
輸出 (トン) |
前年比 % |
輸入 (トン) |
前年比 % |
合成染料 | 17,992 | 106 | 8,336 | 100 | 30,933 | 104 |
有機顔料 | 16,377 | 95 | 4,280 | 102 | 19,464 | 103 |
有機ゴム薬品 | 17,443 | 109 | 10,828 | 93 | 13,528 | 104 |
フェノール | 675,554 | 115 | 60,557 | 84 | 53,928 | 74 |
無水フタル酸 | 162,420 | 102 | 49,846 | 93 | 30 | 20 |
無水マレイン酸 | 89,749 | 102 | 4,188 | 76 | 567 | 134 |
(出典:生産・出荷・・経済産業省化学工業統計、輸出・輸入・・財務省通関統計)
合成染料は好調で昨年に引き続き、生産、輸入、輸出とも前年比プラスとなった。一方、有機顔料の生産量は前年比5%のマイナスと3年連続の減少となったが、輸出、輸入は若干ながら増加した。有機ゴム薬品は、自動車生産の好調等を受けて生産量は昨年比9%のプラスとなった。また、フェノールは前年比15%プラスと大幅に増加し、無水フタル酸、無水マレイン酸も引き続き微増傾向にある。
以下、個別製品ごとの10年間の生産、輸出入の推移を図示する。
1.《 合成染料 》
2.《 有機顔料 》
3.《 有機ゴム薬品 》
4.《 フェノール 》
5.《 無水フタル酸 》
6.《 無水マレイン酸 》