化成協、会館 新年賀詞交歓会報告(1/6学士会館)

0 票, 平均: 0.00 / 50 票, 平均: 0.00 / 50 票, 平均: 0.00 / 50 票, 平均: 0.00 / 50 票, 平均: 0.00 / 5 (0 投票, 平均: 0.00 / 5)
化成協会員のみ評価できます。
読み込み中...

平成29年 化成品工業協会  ㈱化成品会館 賀詞交歓会 報告

 本年の賀詞交歓会は1月6日(金)午前10時30分から千代田区神田錦町の「学士会館」で開催され、280名を超える方々のご参列を賜りました。冒頭、勝呂芳雄会長(三菱化学株式会社 執行役員)が以下の挨拶をされ、続いて来賓を代表し 経済産業省 製造産業局 素材産業課長の茂木 正様から下記のご祝辞を賜りました。継いで、高橋弘二副会長(大日精化工業株式会社 取締役社長)のご発声で乾杯、歓談に入り、11時30分ごろに散会した。

「化成品工業協会長 勝呂芳雄 挨拶要旨」

新年明けましておめでとうございます。平成29年の化成品工業協会ならびに化成品会館の新年賀詞交歓会にあたりまして、一 言ご挨拶を申し上げます。

昨年の世界情勢を振り返りますと、11月にはパリ協定が発効し、温室効果ガスの削減に向けた国際的な取り組みが加速する一方で、イギリスのEU離脱問題や、アメリカの大統領選挙ではトランプ旋風が巻き起こるなど、一部の先進国で保護主義とグローバリズムの対立が顕在化してまいりました。こうした潮流の中で、今年はフランスの大統領選挙と国民議会選挙、ドイツの連邦議会選挙を控えており、その結果次第では保護主義とグローバリズムの対立が一段と鮮明化する可能性もあります。このように不確実性がますます高まる中で、経済の動向が非常に見通し難い状況になっているのではないかと考えております。

 一方、当協会の活動につきましては、現在、化学品規制に関する2つの大きなテーマに取り組んでおり、本年も引き続き活動の中心となります。その1つ目は、「化審法見直しへの対応」であります。現在、法の見直し作業が佳境に入っておりますが、当協会会員の皆様におかれましては、少量および低生産量新規特例制度が最大の関心事になっていると思います。先日開催された化学業界合同新年賀詞交歓会におきまして、世耕弘成経済産業大臣が1月20日からの通常国会に本法案を提出することを明言されましたが、日本の化学産業の国際競争力強化という観点からも、是非とも本法案を成立していただきたいと考えております。

 2つ目は、「労働安全衛生法改正への対応」であります。昨年6月にリスクアセスメント実施義務の対象物質が大幅に増加したため、当協会では関連情報の提供や各種セミナーの開催、相談窓口の開設などを実施してまいりました。具体的な課題に対してのモデルシナリオの提供や、定量的なリスクアセスメント手法の解説など、各種支援を本年も継続し、都度発生する個別の事案に対しても迅速な情報の収集と提供に努める所存であります。

 一方、化成品の主要マーケットである中国、韓国、台湾などの東アジア諸国でも同様の法規制が整備されてきており、さらにアメリカではTSCAの改正が行われました。こうした状況を踏まえ、当協会では内外の法規制情報や産業情報を収集し、これらを会員の皆様に迅速に提供するため、情報発信プログラムを充実させております。電子メールやホームページなどを駆使し、必要な情報を発信しておりますので、有効にご活用いただきたいと思っております。

 また、平成19年度にスタートした「人材育成プログラム」の受講者数は、すでに5,400名を超え、会員企業の社内教育を補完するものとして定着してまいりました。さらに、平成25年度にスタートした「保安力向上プログラム」では、現在、20社の参加を得て、保安力向上ワーキンググループとして積極的な活動を継続しております。このワーキンググループでは、各社の事故事例や安全に対する取り組みを共有化するものです。活動の成果をデータベース化し、イラスト形式の資料を作製して配布しておりますので、会員各社におかれましては、社内教育などを通じて保安力向上にご活用いただきますようお願い申し上げます。

当協会では、本年も引き続き“会員の皆様の役に立つ協会”を目指して活動してまいりますので、会員ならびに関係官庁の皆様のご指導、ご支援、ご協力をよろしくお願い申し上げます。

 ---------

「経済産業省 素材産業課長 茂木 正様 ご祝辞要旨」

新年明けましておめでとうございます。

 昨年を振り返りますと、ブレグジット(英国の欧州連合離脱)が決定され、米国の大統領選では予想外の結果になるなど、様々な面で大きな変化が生じました。こうした急激な動きは、ある意味で大きな振り落しになったため、各企業の皆様におかれましては、ご苦労されて乗り越えられたところ、または非常に厳しい状況に追い込まれたところなど、様々なケースがあったかと思います。

 今年は1月20日に米国の新大統領が就任され、その後、欧州の主要国で重要な国政選挙が相次ぎ実施されるため、引き続き政治的にも不確定要素の多い1年になることが予想されます。こうした様々な変化をチャンスにしていくことが重要になっていますが、そのためには常にイノベーションを起こしていかなければならないと思っております。経済産業省としましても、予算や税制を駆使し、皆様の取り組みを応援していきたいと考えております。

 勝呂会長のお話しにもありましたが、今年は化審法の改正法案が1月の通常国会に提出される予定です。これは少量新規制度を含め、企業が新規分野に取り組みやすい環境を整備するという思いを込めた制度改正になりますので、国会を通して制度構築を進めていきたいと考えております。また、皆様にこうした制度を活用していただき、積極的に新規分野を開拓していただきたいと思っております。我々もそのために全力を尽くしてまいります。

 安倍政権の4年間でGDP(国内総生産)は約44兆円増加し、雇用も110万人増加しており、ある意味で経済は着実に改善しております。様々な変動に直面する中でも、「景気の好循環を確かなものにする」というテーマに向け前進していることを私自身も実感しております。今年はその歩みをさらに力強くするために、経済産業省では下請取引を含めた取引の適正化にも全力で取り組んでいます。化学分野につきましても、すでに適正取引のガイドラインはありますが、その改正を年度内に行うべく、現在、事業者の皆様にヒアリングさせていただいております。こうした分野におきましても、皆様の今後の取り組みに期待したいと思っております。そして、酉年の今年、皆様が一層羽ばたく1年となることを祈念しております。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

                                      以上

 ---------

2017年 化成品工業協会 新年賀詞交歓会(概要挨拶祝辞要旨)